易の概要
易とは単なる占いではなく、天地自然・宇宙の法則からなる、人智を越えた自然の法則です。
易の基本原理には3つの原理があります。1つ目は「変わる」、2つ目は「変わらない」、3つ目は「簡易である」ということです。
変わるということは、運命は変わるということです。今日の天気と明日の天気も変わるし、今年と来年も同じと言えないように、万物は全て変わっていくものであるということです。
変わらないということは、宇宙の法則には不変の法則があるということです。朝が来て昼が来て夜が来てまた朝が来るという一連の決まった流れや、毎年の春夏秋冬のうつろいとか、1年が365日であることとか、男に生まれれば一生男であるということなどが、「変わらない」ということです。
簡易であるということは、万物は解りやすいということです。人間の法則は自然の法則と一緒であるから、自然の法則を考えていけば、人間がどう生きていけばよいかが解る。運命が悪いということは、どこかに間違いがあるということを教えてくれているのだから、難しく考えないようにしなさい。つまり、物事はもっと「簡易である」ということです。
中国の思想に「易に太極あり、太極から両儀を生ず」という一節があります。太極とはある1つのことの根本のことです。両儀というのは陰と陽であり、+と-のことです。これを易ではよく「陰陽の原理」と呼びます。全てこの世は+と-から成り立っているという原理です。南極と北極があるから地球が安定し、男と女があるから人間が栄える。電気にも+と-があるからモーターが回り、政治でも与党があれば必ずそれと対立する野党が発生します。携帯電話や車など便利なものが出来れば、必ず便利になった分だけマイナスの面も発生しています。これらは皆「陰陽の原理」からくるものです。
「易は両儀(陰陽)から四象を生ず」とあります。四象をあらわす一番良い例として、北と南が安定しているから西と東が定まる、があげられます。他にも人間では、男らしい男と女らしい男・女らしい女と男っぽい女の4つのタイプの存在があるのがそうです。4つの要素から構成されているといえば、人間の遺伝子もそうです。人間の遺伝子の基本塩基は4つから成ります。A(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)の4つです。しかもこれらには陰陽があり、Aは必ずTと、Gは必ずCと結合するといった「陰陽の原理」が遺伝子のレベルでも存在するのです。
易を立てる(占う)時は、算木(さんぎ)という陰と陽を表す木を用い、3つの算木で1つの卦を出します。人間の遺伝子もA・T・G・Cの4つの基本塩基から3つを組み合わせてアミノ酸を作っていきます。このように遺伝子の組み合わせ方法と易の組み合わせ方法は同じ原理に基づいています。
「易は四象から八卦を生ず」とあります。分かりやすい例が方位です。四方位をもっと細かく分ければ、東北・西南・北西・東南が加わり、八方となります。
そして「易は八卦から64卦を生ず」とあります。全ての事象は64から分析出来るということで、例えば離婚というテーマを考えた時、以上の原理は非常に良く当てはまります。離婚には64通りの離婚の型があるなどと言われ、人間があって男と女がいる。男と女が結びついて結婚になり、その後発展し、それがいろんな型で最後破局していく。同じことは遺伝子にも言え、遺伝子も4つの塩基から3つを組み合わせて64通りのトリプレットを作り、これが遺伝子の基礎となっています。
このように、私達の生命の原理と易の原理とは、根本は全く同じものです。
易は、宇宙と人間、あるいは運命の基本原理を表象していると言えます。
私はこの事を悟り、易を通じて、運命をどう変化させることが出来るか、何故に悪い運命になっているのか、どうしたら悪い運命を良い運命に変えることが出来るかを実践と経験の上に立脚し、解明してまいりました。生命哲学を知らずして運命を変えることは出来ません。その上で、運命を司るものは何か、悪い遺伝子を良い遺伝子に変える力とは何かについて考察すると、「心」「言葉」「行い」の3つの働きが重要であることを見出しました。
まず、心を変えなければ運命は変わっていきません。運命を悪くする心の使い方が問題なのです。良い方向に心を使えば遺伝子も変わり、運命も変わっていくのです。
次に言葉ですが、運の悪い人は悪い言葉を使っているのです。心を変えていけば言葉も変わっていきます。人の悪口、不平不満、運が悪いのを人のせいにしたり、恨んだり、悔やんだり、愚痴を言ってもどうしようもない、というのはこの言葉の問題のことです。
最後に「行い」が最も大切です。良い心、良い言葉、そしてそれに相当する行いをすることが肝要なのです。
これらの究極の目的を行なう為に東京上野に易の原理に基づく神社「高島神社」を創建し、世の不運な人々を救うための修養を日夜努力しております。聖人と言われる、太昊伏羲や文王、孔子達が、我々人類に残し伝えようとした思いをかみ締め、私は、日夜努力をいたしております。